ADSL導入顛末記  第五部(そしてこれから・・・)

●NTT故障調査

 7月23日、帰宅してみると、「電話が掛かってきたら切れるの、直ったみたいだよ」というAKIの言葉。あっさりしたものである。話を聞いてみると、「通信ラインにある『ヒューズ』が古いタイプの物だと、着信時に変な電流が流れてデータ通信が中断」する場合があるらしい。新しいタイプに交換したら、通信が切れることはなくなったとの事だ。
 その後、8月に入ってからFLET'Sの公式サイトの「よくあるご質問」で再確認したところ、
「保安器の一部機種において電話着信時に通信速度の低下または通信できなくなる場合がございます。保安器を交換することで改善が見込まれます。これはADSL特有の事象であるため、現在お客様のご要望により、有償にて保安器の交換を行うことで準備を進めております。準備が出来次第、HP等でお知らせしていく予定ですのでしばらくお待ちください。」
という記述があった。保安器というのは、「雷などの電流から宅内設備を保護するもの」という事なので、サービスマン(?)のおじさんが言っていたという『ヒューズ』はこの事に違いない。やっぱ、どこかしらに書いてあるものである。それにしても、上の文章だと有償だと書いてあるけど、どうしてウチでは無償だったんだろうか? もしかしたら、対応準備中の現在は無償だけど、今後有償にするということかも知れない。電話が掛かってきたらデータ通信が切れるという状態を「暫く待てる」人はあんまり居ないと思うし・・・。そうでなければ、クレームの仕方の問題なのかも知れない。先に上の文章を読んでなかった、無知の勝利だったりして。
 何れにしろ、マンションの管理人室の脇にあるパネルでは、何十戸分もある保安器の列の中でウチの分だけ形と色の違う物が付いているのだった。

 また、そうやって通信が切れると復帰できなくなる件については、「ADSLでは、LINKが中断された場合、LINKが復活するまでにNTT東日本で10分、NTT西日本では30分程度掛かる」ということだった。実際には、モデムをOFF/ONしたりして、10分もしないで回復したように思えるので、「そのままにしておいた場合」なのか、ある程度のマージンを見込んだ時間なのかも知れない。アナログ通信ってのはそんな物なんだろうか? 今ひとつ納得できない。誰か、本当のところを知っていたら教えて > えらい人

 その他、ルータが切断時の自動復帰動作を行ってしまうために、サービスマンのおじさんが混乱してしまったりと色々笑える話しもあったようだが、気になる話しも少し。
 最初おじさんは、「この辺りだと、通信速度は500Kbpsくらいですかねぇ? いや、NTT局内でも900Kbps程度しか出ないんですよー」と言っていたらしい。AKIが色々弄って1Mbpsくらいまで増速したらしいと説明したところ、持参のノートPCで直接ADSLモデルに接続して、「おや、本当に1Mbps出てますねー(※結局、フレッツ接続ツールはMTU値を自動設定してくれるらしい)」と感心したのはいいが、次の一言が問題「お宅だと、局からの距離は2.2Kmありますから、通信速度が落ち気味だと思うんですが。2Kmを越えるとだんだん低下するようです」。
 おいおいおい。最初に問い合わせた時(※第一部参照)には「1.7Km」って言ってたじゃないか! あれは何だったんだ? しかしまあ、最初に2.2Kmと聞いたからといって何か変わったはずもないけどね。


●「その後」の始まり

 これで、ADSLの使い勝手に大きな影を落としていた「中断問題」が解決された。しかし、最後に残ってしまった問題として、頻度は高くないが、「Web閲覧中などに一時的に通信が止まる事がある」件がある。また、少なくともNetscapeの場合(IEなんて恐ろしくて使えません)だと、「xxxx(サーバ名)に接続しようとしましたが拒否されました」とのメッセージが返る事もある。これは別問題かも知れないが。
 この件に関しては、今に至るまで解決していないが、手掛かりかも知れない記述が、FLET'Sの公式サイトの、これは「お役立ち情報」の、「お役立ちFAQ」の所にある。
「この現象の報告がたまにありますが、まだ原因特定に至っておりません。 しかしこれはWindowsのDHCPの設定に起因する可能性があります。DHCPの プロセスが定期的にリクエストを出し、その間通信が途絶えるというものです。この現象が発生する場合にはNICにプライベートアドレス (例:IPアドレス=192.168.0.5 サブネットマスク=255.255.255.0など)を設定してみてください。改善する場合があります。」
対策も書いてあるが、ルータで既に割り振られているプライベートアドレスとの兼ね合いがよく分からないので、まだ何もやってみていない。固定プライベートIPでもルータにアクセスできたはずなので、今度マニュアルを読み込んでからやってみるつもりだ。この辺りは、そのうち「後日談」として書くかも。NTTの方でも何とかして欲しいものだが・・・。

 その他、最初から考えてまだやっていなかったことがある。通信速度のバラツキ対策としての、ノイズフィルタの適用だ。これは、電気屋に頼んで取り寄せてもらうことも出来ると思うが、次に秋葉原に行く機会にでも捜してみようと思う。TDKあたりから、通信用ノイズフィルタが出てるのは分かっている。ただ、実は、同様の物と考えられるデジカメ付属のUSBケーブルに付いていたノイズフィルタを暫定的につけてみた分には、効果は見られなかったので、望み薄かも知れない。

 また、もう一つ気になる事があったので試してみた。それは、MSS(Maximum Segment Size)という値だ。これは、基本的にMTUと同じなのだが、MTUからヘッダの類を除いた値の事らしい。通常はMTUから40を引いた数字になる。何故これが気になったかというと、第二部でも書いたが、ルータの設定の中にMSSがあるのだ。ルータのディフォルトではこの値は1412という設定値になっていた。これは、レジストリに設定したMTU値(1454)から40を引いた値より2少ない。これが、通信のもたつきを呼んでいる可能性があるかも知れないと考えたのだ。ルータの注意書きでは、フレッツADSLの場合、この値は1414以下にしろ、と書いてある。1414ならば1454-40で、ぴったり数字が合うため、値を変更してみた。
 結果は・・・よく分からないが、速度バラツキの分布が上に移ったような気がする。930Kbps〜1.15Mbpsといった感じで、1Mbpsを越える比率が多くなったような・・・気がする。まあ、少なくとも悪くなってはいないので、このまま行こっと。

 今後も、いろいろと情報収集を続けて、環境の改善を続けて行くつもりだ。


●そしてこれから・・・

 これで、「ADSL導入」の顛末記は一応の終わりとする。とはいえ、上でも書いたが、今後も何かあったら「後日談」として記事をアップするかも知れない。

 ところで、今回のADSL導入騒ぎと同時に進めていた別プロジェクト(?)がある。それは、「レンタルサーバの導入」である。気づいている方も多いと思うが、このHPのドメイン名は「Ryuju.net」である。これは、私がレンタルサーバ業者に依頼して取得してもらった物だ。
 レンタルサーバ導入の主な理由の一つは「AKIのHPの容量肥大化対策」だった。asahi-netにあったAKIのHPは、初期容量で50MBまでは許容されている(なーんと、今調べ直したら8月1日から100MBに増えていた)が、AKIのHPは既に30MBに達しようとしていた。素材造り等にも凝ったりしているので、50MBに達する日もそう遠くないかも知れない。しかし、プロバイダのHP容量増設は一般的に非常に割高なので、コストの観点からレンタルサーバ化を進めようと思ったのだ。
 ドルフィンインターネットとasahi-netのHP増設料金は以下の通りである。特にドルフィンは高過ぎ!
  基本ホームページ容量
(最も大きいプラン)
ホームページ増設料金
ドルフィンインターネット 10MB 5MB毎に500円
asahi-net 50MB(100MB) 5MB毎に180円
 例によって、検索サイトを駆使して発見したのは、AKIRAインターネットという多摩地区限定のプロバイダ兼レンタルサーバ業者(レンタルサーバは勿論地域限定など無い)だった。ここは、とにかく安価だ。会社(有限会社)は小さいようだが、逆にその分管理コスト(人件費?)を小さくできるのかもしれない。しかも、サービス内容を読んだ分には(その後の対応を見ても)、確かな技術力があり、良心的な業者だと思える。ここで、150MBのホームページ容量と、10個のメールアドレスを使えるエコノミーコースというコースを選んだ。(あれれ? 今確認したらメールアドレスが20個に増えてるぞ? 先週までは10個だったはずだが) これで月額2600円なのである。

 さて、何故こんな事を長々と書いたかというと、このレンタルサーバ導入の際に、上にも書いた独立ドメインを取得した結果、思わぬメリットが生まれて来たのだ。ちなみに、AKIRAインターネットでは、独立ドメインの取得/維持は「無料(実際にドメイン名管理団体に納める実費3600円/2年のみ)だった。それで気軽に取得したのだが、それで生まれたメリットとは、

    アクセスラインを選ばない

という事だ。つまり、インターネットにアクセスさえすれば、プロバイダを何に変えようが、Yahoo! BBだろうが、イーアクセスだろうが、専用線接続だろうが、Bフレッツだろうが、さらに、たとえAKIRAインターネットを退会した場合でさえ、今後は常に同じアドレスでホームページとメールを使えるのだ。これは、今後何らかの理由でフレッツADSLから別のサービスに移行する際の足枷が外れたことを意味する。

 今現在は、あちこちに登録しているドルフィンインターネットやasahi-netのメールアドレスを、少しずつRyuju.netドメインのメールアドレスに移し始めているところだ。現在のアクセスラインであるドルフィンのメールアドレスが余りに単純明快でいいアドレスなので、出来る限りドルフィンインターネットを続けたい気持ちはあるが、Ryuju.netドメインのメールアドレスも悪くないので、状況次第である。asahi-netの場合は最低450円/月でメールアドレス(と、別サービスへの入り口)を維持できるので、近い内にそのプランに移行することになると思う。

 やっと新しいサービスに移行したばかりなのに次のことを考えるとは、何とも気の早い話かも知れないが、今後、より良いサービスが出てきたら、またじっくりと導入を検討するつもりだ。

 PCスピードヲタクの面目躍如?!

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